NISAやiDeCo、やったほうがいいって聞くけど、どれからやったほうがいいの?
結論、私は、「NISAが第一優先、さらに余剰資金がある場合は、iDecoや企業型DCを併用するのがよい」と考えています。
まずは3つの制度の違いについて軽く解説します。
そんなの知ってるよーって方は3まで飛ばしてください。
NISAとは?
株式や投資信託で得た利益や配当には通常、約20%の税金がかかりますが、運用益が全額非課税になる制度です。
2024年の制度改正により、年間投資枠の拡大、非課税保有期間の無期限化、限度額の拡大などの神改正が行われ、個人投資家にとっては追い風が吹いています。
個人的には、これは政府からの「国民年金などの公的制度ではもう面倒見きれんから自分のお金は自分でしっかり用意してね」というメッセージだと思っています。
NISAを利用する(投資をする)人、利用しない(投資をしない)人では、20年、30年後、大きな差がでます。
間違いなく、国民の資産形成の核となる制度だとわたしは考えます。
NISAについては、また別の機会に詳しくまとめたいと思っています。
iDeCo、企業型DCとは?
iDeCoと企業型DCは、確定拠出年金と言われます。
いかにも難しい単語ですが、日本の年金制度の4階建ての企業型DCは3階、iDeCoは4階部分です。
自分で投資信託などを選んで運用する点ではNISAと同じですが、年金制度であるため原則60歳まで引き出すことはできません。
企業型DCは、制度を取り入れている企業で働く会社員しか利用できません。
一方、iDeCoは国民年金の加入者であれば、ほとんどの方が利用することができます。
iDeCoと企業型DCも、運用益が非課税になるという点ではNISAと同じです。
iDeCo | 4階 | |||
国民年金基金 | 企業型DC年金 DB年金、企業年金等 | 年金払い 退職給付 | 3階 | |
厚生年金 | 2階 | |||
国民年金 | 1階 | |||
第3号被保険者 (第2号被保険者の被扶養配偶者) | 第1号被保険者 (自営業者等) | 第2号被保険者 (会社員等) | 第2号被保険者 (公務員) |
どれを優先すべき?
結論、迷ったらNISAがおすすめです。
NISAの限度額以上に余剰資金がある方は、iDeCoや企業型DCも併用すれば良いと思います。
ポイントは、2点あります。
- お金を受け取る際、NISAは課税されないが、iDeCoと企業型DCは課税されるため、出口戦略が難しい→NISAより考えることが多い
- iDeCoと企業型DCは60歳まで引き出しできない
NISA | iDeCo | 企業型DC | ||
税制 メリット | 投資資金 | 節税効果なし | 節税効果あり (全額所得控除) | |
運用時 | 非課税 | 非課税 | ||
受取時 | 課税なし | 課税あり (退職所得控除、公的年金控除は使用可) | ||
限度額 | 最大300,000/月 年間360万円 | 最大68,000円/月 | 最大55,000円/月 | |
口座管理手数料 | 無料 | 年間約2,000円 | 無料 (企業負担) | |
対象者 | 18歳以上 | 20歳以上70歳未満の 国民年金加入者 | 導入企業で働く会社員のみ | |
引き出し | いつでも | 原則60歳まで引き出し不可 |
iDeCo、企業型DCは出口戦略が難しい
iDeCoは、積立時に掛け金が全額所得控除となるという大きなメリットがある一方、受け取り時には課税されてしまいます。
退職所得控除や公的年金控除といった控除を使えるため、税制優遇はありますが、出口戦略が難しいです。
一時金として受け取るか?
年金として受け取るか?
退職所得控除や年金控除はいくら使えるのか?
一方、NISAは受取時に課税はされないため、iDeCoのように受け取り方は考える必要はなく、必要なときに取り出すことが可能です。
iDeCoと企業型DCは60歳まで引き出しできない
iDeCoや企業型DCでは、60歳まで引き出しができないため、
・15年後の子どもの教育資金をためたい
・10年後の住宅購入資金をためたい
といった目的で利用することには向いていません。
急遽お金が必要になった際も、iDeCoや企業型DCでは受け取ることができませんが、
NISAではいつでも引き出すことが可能です。
自由度が高く、受取時の運用益が非課税のNISAのほうが使い勝手が良いと考えます。
お金あったらどうしても使っちゃう…という方には、60歳まで引き出しできないiDeCoの資金拘束力を利用するというのはありです。
【参考】筆者はNISAと企業型DCを併用
私の会社では、企業型DCを導入しているため、NISAと企業型DCを併用して、iDeCoはしていません。
NISAは、毎月10万インデックス投資をつみたて、ボーナス等の余剰資金もすべてインデックス投資へまわすため、今年は360万の限度額を埋められる予定です。
そのため、企業型DCで掛け金上限までマッチング拠出(会社の掛け金に自分の給与から掛け金を上乗せ)も行っています。
企業型DCでマッチング拠出を行うのではなく、iDeCoを利用する選択肢もあったのですが、
下記の理由から私は企業型DCでマッチング拠出をすることにしました。
- 企業方DCとiDeCoでわけると口座が増えるため管理コストが増える
- iDeCoは口座管理手数料がかかる(企業型DCは会社負担のため無料)
企業型DCのデメリットは、会社が用意した限られたラインナップの中からファンドを選ばないといけないことです。
(私の会社の企業型DCでは2024年4月からS&P500とオルカンの比較的手数料の安いインデックスファンドが新たにラインナップされるため歓喜しています✧*)
来年以降、NISAの限度額を埋められるかどうかはわからないのですが、毎月10万と余剰資金をできる限りNISAで積立は続ける予定です。
企業型DCでの掛け金の所得控除のメリットの享受もしたいため、マッチング拠出も月5,000円程度は続けます。
まとめ
NISAもiDeCoも企業型DCも、国が用意した資産形成で利用すべき素晴らしい制度であることには間違いないです。
iDeCoは、積立時にすぐ節税効果がある大きなメリットがある一方、出口戦略が難しいため、NISAの方がシンプルでわかりやすく税制メリットも大きいため、迷ったらNISAが優先で良いと私は考えています。
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